水晶の夜~完~2018/10/30

仕上げはジョナで。マスキングテープを剥がす瞬間。レンジでチンみたいな、わくわくするような、ゆでタマゴの殻を剥がしてくような、何とも言えない期待感。 ふむん。なるほど。ほほう。ふーん。あ、紙が剥がれた、、、

これで時間は終わった。


権力の魔獣、恐怖を感じながらも心のどこかで魅せられていた。世紀末、終末論、死の勝利、カタストロフィ、ディストピア、、、魔獣はそれぞれの己の中に宿る。光り輝く為に闇を描く。これは、長い間ペン画をやってきたからこそ見えてくる世界の見方かもしれない。

水晶の夜その252018/10/27

漆黒の中でこそ輝ける、、、まだ足りぬ。

水晶の夜その242018/10/22

ああ、なんだか、破滅へ向かう気がする。これでいいのか?わからない。

水晶の夜その232018/10/21

この流れは下地。ここから黒く埋めてゆくけれど、思ってたよりシビアだ。

「流動する線の流れ」について想う。

摩天楼に漂う気流の流れ
闇雲を縫う大気の流れ
捉えることのできない粒子の流れ
降り注がれる宇宙線
光の波長
暗黒のエネルギー
時空の歪み
高次元の揺らぎ
或いは、それは目に見えない何か
人の宿す感情の吐息
都市が生み出す無言の叫び
世界の終焉の音色
天使の羽音

ハッチング技法でしか表現できないものがあるはずである。

水晶の夜その222018/10/18

いい加減、決着をつけようではないか。
水晶の輪郭をマスキングテープで型どる。初の試みである。なんだか邪道だ。しかし、、、これは大いなる魂の実験場に他ならない。

これまで2次元的なペン画の作業だったが、ちまちまとテープをデザインナイフで型どる事で、3次元に移行したかのような錯覚を覚える。制作というのは不思議である。作品というのは、その制作過程にこそ意義があるのだと常々思うのである。

水晶の夜その212018/10/09

この絵を描き始めてから何ヶ月経っただろうか。日々の生活の片隅において、常にこの絵の事をどこかで考えていて、常に意識して、感じている。
頭を悩ましているのは、やはり水晶の描き方で、その複雑さ故に、計算高くあらねば対処出来ない。描いてみながら良い具合を見つけるというやり方は、非常に危険だと思うけど、そんな描き方をしている。いつか谷底に落下するだろう。そんな不安と緊張が付きまとう。まるで魔獣である。
これを描かねば前に進めない。

水晶の夜(仮)その202018/09/30

息も凍る世界、周囲は暗黒に飲み込まれ、誰も寄せ付けない。人と一定の距離を保つ、心の聖域が存在する。おそらくそれは、自分自身さえも寄せ付けない程の。
水が、ある一定の温度を下回ると氷に変化する。一瞬のうちに形成されていく様子を想像する。それがビルを飲み込み、都市を飲み込み、人は眠りの夢の世界だけを永遠に生きる。そうやって作られる世界があっても良い。
この絵が描かれるにつれて、言いたいことが何となく解ってきた気がする。描くのは容易ではないけど、、、なんだか楽しい。勝ち目のない戦いである。

水晶の夜(仮)その192018/09/23

ご無沙汰である。
水晶にて、やや失敗したかもしれない。まだ誤魔化せるだろうか。心の中の水晶には程遠いけれども、、、人が何かを形にしたいと思うその時、身体の全ての細胞がそれを夢見てやまない。

無題2018/09/19

気づけば9月も中頃。暑さも和らぎ、夜はいくらか涼しくなる。今年の夏は暑く殆どツーリングにも行けなかった。

秋になったら虹色の列車つかまえて、つかまらないキミの秋を独りよがりに待ってみるさ
秋になったらうつろな影を振り切って、見送る他人に両手を振って二人きりで出掛けてみよう

この時期になると口ずさむ。今頃彼はどうしているのか。まだ何処かで持病と闘っているのか。詩を書いているだろうか。心情をつかまえる旅に出掛けたい。ともあれ、そろそろこの絵を完成させたい。
夜の水晶は、その黒い帳の中に溶け込んで見えない。街明かりの光が内部で乱反射をし、天上に鈍い光を宿す。

水晶の夜(仮)その182018/09/06

ここ数日、数週間、数ヶ月間、水晶の描写が私を蝕んでいる。この絵の最大の悩ましである。
己の敵は己にある。対峙せねばならない壁、立ちはだかっているのは、この水晶そのもの。
そろそろ登ってみる。怪我しないように、慎重に。